営業は休日の電話に出る義務なし|出ない判断基準と角を立てない断り方【元営業が実践】 

営業は休日の電話に出る義務なし|出ない判断基準と角を立てない断り方【元営業が実践】 
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土曜の昼下がり。せっかくの休みに、カバンの中でスマホが震える。

画面を見なくても分かります。あの取引先です。

出れば休みが終わる。出なければ月曜が気まずい。その2択を毎週やらされる生活、しんどいですよね。

先に結論だけ言います。営業職に、休日の電話へ出る義務はありません。

法律上そうですし、実際に私は営業時代、業務が終わると携帯の電源を切って会社に置いて帰っていました。それでも取引はなくなりませんでした(むしろ整理されました)。

この記事では、

  • 休日の電話に出る義務は本当にないのか(労働時間・手当の考え方)
  • 着信があったとき、出る・出ないをどう判断するか
  • そもそも電話が来ないようにする予防策
  • 「営業だからプライベートがない」と感じ始めたときの選択肢

を、実際に営業をやっていた立場から解説します。

<strong>PAPAO</strong>
PAPAO

我慢の仕方じゃなくて、鳴らさない仕組みの話をします。


営業に休日の電話へ出る義務はある?【結論:法的にはない】

営業に休日の電話へ出る義務はある?【結論:法的にはない】


「営業なんだから出て当たり前」と言われ続けると、それが決まりごとのように思えてきます。まずはそこをほどきましょう。

労働時間の定義は「会社の指揮命令下にあるかどうか」

労働時間とは、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間を指します(最高裁 平成12年3月9日 三菱重工長崎造船所事件)。

ポイントは、会社が「出ろ」と命じているかどうかです。


会社から「休日も社用携帯を持ち歩き、着信があれば対応せよ」と指示されているなら、それは指揮命令下。逆に、そういう指示が一切ないのに顧客が勝手にかけてきているだけなら、あなたに応答する義務は生じません。

つまり、休日の電話に出る義務がある人はごく限られます。多くの営業マンは「義務だと思い込まされているだけ」です。

「営業なんだから当たり前」は会社の空気であって法律ではない

厄介なのは、この空気が上司からではなく同僚や過去の担当者から刷り込まれることです。

「前の担当は土日も出てくれたよ」と顧客に言われた経験、ありませんか?

それは前任者が勝手に自分の首を絞めていただけで、契約書に書いてあるわけではありません。

MAMAO
MAMAO

でも断って取引が切れたら、責任取らされませんか?

その不安はもっともです。ただ、休日に電話をかけてくる取引先ほど、手間の割に儲けが小さいというのが私の実感でした。ここは後半で具体的に触れます。


出た分は労働時間になる|休日手当・代休を請求できるケース

見落とされがちですが、会社の指示で休日に電話対応をしたなら、それは労働時間です。

労働基準法第37条により、法定休日に労働させた場合、会社は3割5分以上の割増賃金を支払う義務があります。時間外なら2割5分以上。「電話1本だから」で無給にしていいという規定はどこにもありません。

社労士事務所などの解説でも、休日の電話当番を業務として命じるなら手当の支給が必要という整理が一般的です。

現実的な落とし所は、賃金請求そのものより「代休」と「持ち回り」の交渉です。「毎週土日に着信が来るので、対応日を決めて代休を取らせてほしい」と上司に投げるだけで、会社側が線引きを考え始めるケースは多い。

とはいえ法律論はここまでです。実際に鳴っているスマホの前で条文は役に立たないので、次は現場の話をします。

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営業の休日に電話がかかってくる3つのパターン【相手で対応が変わる】

お客様は神様ではありません


ひとくちに休日の電話といっても、かけてくる相手によって扱いはまったく別物です。ここを分けずに「全部出ない」とやると、後で事故ります。

顧客・取引先から|「在庫が大至急」の鬼電

ルート営業なら経験があるはずです。土曜の朝から着信履歴が5件。折り返したら「◯◯の在庫がないから大至急持ってきて」。

こちらは定休日。倉庫も閉まっている。全員休みなので、出したくても物理的に出せません。

<strong>仕事は割り切り派の営業職</strong>
仕事は割り切り派の営業職

騒ぐな、うろたえるな。輸血の血が足りないって話じゃないんだから。

商売をやっている以上、在庫管理は取引先の自己責任です。そして「大至急」を毎回真に受けていると、社内の関係部署が動いてくれなくなります。

<strong>倉庫の出荷担当者</strong>
倉庫の出荷担当者

休日にまたうちの営業から電話…一社の少額注文のために休み返上は無理だわ

あなたが良い顔をした結果、他部署が休日を潰される。この構造だけは避けてください。


上司・社内から|数字の確認と急な引き継ぎ

顧客より厄介なのが、実は上司からの着信です。断りにくいうえ、内容が緊急でないことがほとんど。

「あの案件の見積いくらだったっけ」「月曜の資料どうなってる」。月曜に聞けばいい話です。

これは顧客と違って社内の話なので、上司に直接ルールを提案できます。「休日は電源を切っているので、緊急ならショートメールを入れてください。折り返します」と一度伝えておくだけで、着信は目に見えて減ります。


社用携帯を持たされている場合は扱いが変わる

会社から社用携帯を支給され、転送設定まで会社がしているなら、話が変わります。

これは会社が「休日も連絡が取れる状態にしろ」と指示しているのと同義に近く、指揮命令下と評価される余地が出てきます。労働時間や手当の交渉材料になるということです。

逆に私用携帯の番号を自分で顧客に教えているなら、それは自分で鳴らしている状態。まずここを止めるのが先です。

相手の顔が分かれば、対応の型は決められます。次は着信が鳴った瞬間の判断基準です。


休日に着信があった時の対処法|出る・出ないの判断基準

営業職の休日でもプライベートを確保するための効果的な対処法

出る電話と出ない電話、線引きの基準を先に共有しておきます。営業をやっていた頃、私の中の基準はこれ一本でした。


<strong>仕事は割り切り派の営業職</strong>
仕事は割り切り派の営業職

電話を受けてその場で問題が解決するなら、百歩譲ってOK。(つーか急ぎ以外かけてくるな!)でも、休み明けまでどうせ解決しないトラブルの電話は、もっと出たくない。

「今出れば終わるのか、出ても終わらないのか」。 ここだけです。


出ても月曜まで動かせない案件は、出た瞬間に「休日が終わって、しかも問題は解決しない」という最悪の結果になります。在庫も倉庫も動かない土曜に電話を取るのは、謝るためだけに休日を差し出しているのと同じです。

スマホが鳴った瞬間、心臓が「ビクッ」となる。あの感覚をなくすには、考えなくても動ける型を先に決めておくのが一番です。

1回目の着信は出ない|何度もかかるなら緊急を疑う

基本のルールはこれだけです。

1回目は出ない。

急ぎでない用件の大半は、1回鳴らして諦めます。本当に緊急なら相手は必ずかけ直してくる。短時間に何度もかかってくる、あるいは会社と携帯の両方から着信があるなら、そこで初めて緊急を疑えばいい。

これは電話代行や法人携帯の解説記事でも定番として紹介されている考え方で、特別なテクニックではありません。先に決めておくかどうかだけの差です。

いきなり折り返さない|メールで用件だけ確認する

非緊急案件は休み明けに対応!

出ないと決めても、内容が気になって休めないなら本末転倒です。

そこでメールを1通。

「お電話に気づかず失礼しました。本日休業日のため、ご用件をメールでいただければ翌営業日に対応いたします。」

これだけで、相手が「わざわざメールを書くほどの用か」を自分で判断してくれます。 書いてこないなら、その程度の用件だったということです。

<strong>PAPAO</strong>
PAPAO

すぐ受話せず、何の用か推測して落ち着いてから折り返す。これで事故はかなり防げます。


留守番電話のアナウンスに営業日と時間を入れておく

地味ですが効きます。留守電のメッセージを、初期設定のまま放置していませんか。

「弊社の営業は平日9時から18時までです。恐れ入りますが翌営業日にお願いいたします」と自分の声で入れておくだけで、個人の都合ではなく会社のルールとして伝わります。 角が立ちません。


どうしても出たなら記録を残す

やむを得ず対応したときは、日時と用件と所要時間をメモしておいてください。

代休や手当を交渉するとき、「たまにあります」では会社は動きません。 「先月は土日に7件、合計2時間対応しました」なら話が別です。証拠は静かに積んでおきましょう。


<strong>MAMAO</strong>
MAMAO

出なかったせいで評価が下がったら、どうするんですか?


正直に言うと、そういう会社は存在します。ただ、休日に電話へ出たかどうかを評価に反映している時点で、その会社は危険信号です。 労働時間としてカウントもせず、手当も出さず、それでいて評価だけは下げる。これは制度ではなく、ただの言いなり要求です。

とはいえ、これらは全部「鳴った後」の対処です。本命は鳴らさないことなので、次に進みます。

そもそも休日に電話が来ないようにする予防策【先に線を引く】

こんな気持ちで仕事している営業マンがどれだけ多いことか…
こんな気持ちで仕事している営業マンがどれだけ多いことか…

対処法を覚えるより、着信そのものを減らすほうが圧倒的にラクです。ここは営業の腕の見せどころでもあります。

取引開始時に「対応できる曜日と時間」を先に伝えておく

一番効くのに、一番やられていないのがこれです。

契約前や担当変更のタイミングで、「弊社は土日祝が休業日なので、緊急のご用件は平日の営業時間内にお願いします」と先に線を引いておく。

後から言うと「態度が変わった」と取られますが、最初に言えばただの条件説明です。上から目線でも何でもなく、営業時間を伝えるのは立派な営業の仕事です。


<strong>仕事は割り切り派の営業職</strong>
仕事は割り切り派の営業職

教育とかじゃなくて、最初に書面と一言伝えるだけ。それで9割減ります。


携帯番号を載せない名刺という手もある

そもそも番号を渡さなければ、私用携帯は鳴りません。

私は名刺を自作して、携帯番号を入れないバージョンを使っていた時期があります。会社の代表番号だけ載せておけば、休日は誰も出ない。それで困ったことはありませんでした。


社内の他部署を巻き込まないラインを決めておく

あなたが1人で完結できる案件なら、まだ判断の余地があります。問題は倉庫や工場を動かす必要がある案件です。

自分ひとりの善意で受けた「大至急」が、他部署の休日を吹き飛ばす。この構図を上司と共有して、「休日に動かせるのはどこまでか」を先に決めておいてください。ここを決めておくと、断ったときに「わがまま」ではなく「決まりごと」として通ります。

ここまでが仕組みの話。次は、実際に私がどう乗り切ったかの話をさせてください。


PAPAOはこう乗り切った|携帯を会社に置いて帰った日々

休日は仕事を休もう
PAPAOはこう乗り切った!(真の営業職は反面教師にして)

きれいごとを並べてきましたが、私がやっていたのはもっと雑な方法です。参考程度に読んでください。

私は業務が終わると、毎日携帯の電源を切って会社の机に置いて帰っていました。

当然、顧客から言われます。「時間外や土日は全然つながらないね」と。

そのたびに使っていたのがこの一言です。

「えへへ、すみません。社内で情報漏洩防止のため、持ち出しが禁止されてまして…」

当時のPAPAO

苦しい言い訳です。 でも不思議なもので、これを続けているうちに優良な取引先ほど平日の時間内に連絡をくれるようになりました。

一方で、いつ何時でもおかまいなしに鳴らしてくる先——儲けは小さく、手間だけ多い、正直に言えば赤字みたいな取引先——は、自然と離れていきました。

精神的にも、経営的にも、結果オーライです。

PAPAO
PAPAO

365日24時間対応が当たり前という相手と、長く良い関係は築けません。

もっと稼がせてくれて、気持ちよく仕事ができる顧客を他で見つければいい。営業をやっていて、これだけは今でも正しかったと思っています。

ただし、この方法が通用しない会社も存在します。次はそこの話です。


営業だからプライベートがない…と感じ始めたら【職種を変える選択肢】

営業だからプライベートがない…と感じ始めたら【職種を変える選択肢】


ここまでの対策を試しても状況が変わらないなら、問題はあなたのやり方ではなく環境のほうにあります。

休日対応が常態化している会社に共通すること

こういう会社には、だいたい同じ特徴があります。

⚠️ 休日対応が常態化している会社の特徴チェックポイント
📋 ルールが決まっていない休日対応のルールが明文化されておらず、対応するかどうかを個人の判断に任せています。
💸 手当・代休がない休日に対応しても、手当や代休が付かないのが当たり前になっています。
📄 引き継ぎが属人化している「前の担当はやってくれた」が引き継ぎ資料代わりになっており、仕組みではなく個人に依存しています。
😰 断りづらい空気がある休日対応を断ると評価が下がるような雰囲気があり、実質的に強制されている状態です。
🚨 問題は会社の仕組み休日対応が常態化するのは営業職の宿命ではありません。個人の裁量に頼る会社の設計ミスと言えるでしょう。

つまり、個人の裁量でどうにかしろという体制です。


営業以外の職種に移るという選択肢

営業そのものが嫌なわけじゃない、休日まで追いかけられるのが嫌なだけ」という人は多い。

ただ、顧客と直接つながる仕事である以上、営業を続ける限りこの構造は完全にはなくなりません。 会社を変えても、程度が変わるだけということはあります。

そこで、営業で身につけた対人スキルを活かしつつ、休日に個人が呼び出されない職種へ移るという道があります。20代のうちなら、職種そのものを変える転職は十分に現実的です。

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20代なら職種を変える転職は間に合う

営業をやっていた頃、同じように休日の電話でやられて別職種に移っていった同僚を何人も見ました。数字を追った経験と、人と話せることは、営業をやめても消えません。

エージェントを使うなら、20代・第二新卒に強いところを選んでください。

営業から別職種への転換は、求人選びより「どう伝えるか」で決まります。

エージェント対象年齢強みサポートおすすめ度
🥇 キャリアスタート〜35歳年収アップ率83%※公式発表手厚い★★★★★
🥈 第二新卒エージェントneo18〜28歳サポートが手厚い平均10時間※公式発表★★★★☆
🥉 UZUZ〜29歳IT系・ブラック企業排除平均20時間※公式発表★★★★☆
4️⃣ ハタラクティブ〜29歳最短2週間内定※公式発表手厚い★★★★☆

営業を続けるか、抜けるか。決めるのは相談してからで構いません。

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辞めたいのに辞めさせてもらえないときは

「担当を外れたら顧客が困る」と言われて、退職を引き延ばされる。営業職ではよくある足止めです。

顧客はあなたの持ち物ではありませんし、引き継ぎは会社の仕事です。話が通じないなら、間に人を入れる方法があります。

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まとめ|休日に鳴るスマホに、心臓を差し出さなくていい

プライベートと仕事のバランスを取るために

冒頭の土曜の昼下がりに戻ります。

カバンの中で震えるスマホを見て、出るか出ないかで胃が痛くなる生活は、正常ではありません。


覚えておいてほしいのは4つだけです。

✅ 休日の仕事の電話で知っておきたいことポイント
📵 会社の指示がなければ出る義務はない会社から休日対応を命じられていない限り、休日の電話に出る法的な義務はありません。
⏰ 出たなら労働時間になる可能性休日に仕事の電話へ対応した時間は、労働時間として扱われる可能性があります。手当や代休を相談する根拠にもなります。
📧 1回目は出ず、まず用件を確認電話に出られなくても問題ありません。メールやチャットで用件を確認し、緊急でなければ翌営業日に対応するのがおすすめです。
🤝 一番効果的なのは事前ルール取引開始時に「対応できる曜日・時間帯」をあらかじめ伝えておくと、休日の電話自体を減らしやすくなります。

それでも鳴り止まないなら、あなたの努力不足ではなく会社の体制の問題です。

PAPAO
PAPAO

携帯を置いて帰っても、失う顧客は最初から失っていい顧客でした。

休みの日は、休んでいい。まずはそこから取り戻してください。





新卒バックレ→29社を渡り歩いた、元クズ社会人。
今は腰を据えて働きながら、採用する側(人事)もやっています。
辞めたい・受からない気持ちも、採用側の本音も、どっちもわかる。
転職のリアルを、自分の失敗込みでお届けします。
詳しいプロフィール → PAPAOってどんな人?

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