ブラック企業求人あるある|やばい会社の特徴を採用側が解説

ブラック企業求人あるある|やばい会社の特徴を採用側が解説
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気になる求人を見つけたのに、応募ボタンの手前で止まっている。たぶん今、そういう状態だと思います。

条件は悪くない。写真の職場も感じがいい。でも、きれいな求人広告の裏に何が隠れているのかが分からない。前の会社で似たような目に遭っていればなおさらです。

そこで「ブラック企業 求人 特徴」あたりで検索して、要注意ワードの一覧を読む。アットホーム、未経験者大歓迎、少数精鋭。読み終わって、目の前の求人票に戻る。それでも、押していいのか分からない。

求職者
求職者

結局、この会社がやばいのかどうかは分からずじまい…

こんな状態で読みに来ていませんか

  • 応募しようか迷っている求人が、目の前にある
  • 要注意ワードの記事は読んだが、判断できずに戻ってきた
  • 前の職場がきつくて、次は絶対に外したくない
  • 面接まで行って時間を無駄にしたくない

私(PAPAO)は20代のうちに会社を辞め続けて、求人サイトを何百件と眺めてきました。外したことも何度もあります。そして今は、その求人票を出す側にいます。自分で残業時間の記載を決めて、採用人数を決めて、応募が来るのを待つ側です。

両方やって分かったのは、要注意ワードを覚えても求人票は読めるようにならないということでした。言葉はいくらでも書き換えられるからです。代わりに見るべきものが、ちゃんとあります。


今度もブラック企業に 入りたいのか?
この記事で分かること
  • ブラック企業の求人あるあるフレーズと、その裏にある会社側の事情
  • 私が実際に応募を見送った、求人票の5つの数字
  • 求人票に書かれない採用人数を、面接で聞き出す質問
  • 採用側が求人票の残業時間をどう決めているか
  • 離職率や定着率を、応募者の立場で聞く方法

100%見抜く方法は存在しません。ただ、応募する前の10分で確認できることは、思っているよりたくさんあります。

結論|ブラック企業の求人あるあるは、文言より「数字」と「募集の頻度」に出る

  • 「アットホームな職場」
  • 「未経験者大歓迎」
  • 「やる気重視」。


企業の求人あるあるとして、この手の要注意ワードを並べた記事はいくらでもあります。私も読みました。でも、あれを覚えたところで応募ボタンを押す手は止まりません。

理由ははっきりしていて、言葉は書き換えられるからです。「アットホーム」がまずいと知られたら、次は別の言い方になります。実際、求人広告の言い換え表現を探している採用担当は今この瞬間もいます。

では何を見るのか。求人票のなかで書き換えのきかないものは数字です。みなし残業の時間数、年間休日、採用人数、試用期間の長さ。それと、その会社がどれくらいの頻度で求人を出し続けているか。この2つは、盛ろうとすると嘘になるので、だいたい正直に出ています。

PAPAO
PAPAO

言葉は着せ替えできるけど、数字は着替えられないんですよ


この記事は、20代で会社を辞め続けて求人サイトを何百件と眺めてきた側と、今その求人票を出している側の、両方から書いています。実際に私が「これはやめとこう」と応募を見送った求人票の条件も全部出します。まずは、そもそもブラック企業とは何を指すのかから整理させてください。

そもそもブラック企業とは?定義があいまいだから「自分にとってやばい会社」で決める

見分け方の前に、ここを飛ばすと判断がぶれます。ブラック企業という言葉には、実は公式な線引きがありません。

厚生労働省もブラック企業の定義を示していない

厚生労働省は「ブラック企業」について、定義づけはしていないという立場を示しています。そのうえで、労働者に極端な長時間労働やノルマを課す、賃金不払残業やハラスメントが横行する、такие企業への該当例を挙げる形で説明しています。

つまり「この条件を満たしたらブラック企業」という公式ラインは存在しません

だから、他人の基準を借りても意味がないんです。年間休日105日を地獄だと感じる人もいれば、前職が90日だった人にとっては改善になる。労働環境の評価は、自分の前提とセットでしか決まりません。


「ゆるブラック」という言葉も出てきた

最近は、残業も少なく人間関係も悪くないのに成長できない職場を指す「ゆるブラック」という言葉も使われるようになりました。

長時間労働だけがやばい会社の特徴ではない、という話です。この記事では扱いませんが、頭の片隅には置いておいてください。


離職率が高い業界には共通点がある

厚生労働省は毎年「雇用動向調査」で産業別の入職率・離職率を公表しています。

数字は年によって動くので暗記する必要はありませんが、傾向として宿泊・飲食、生活関連サービス、医療・福祉といった、人手を多く必要として個人を相手にする業界は離職率が高めに出ます

ただし、これは業界そのものが悪いという話ではありません。離職率が高い業界は求人の総数が多く、そのぶん使い捨て前提の会社も紛れ込みやすい、というだけです。業界で切るのではなく、1社ずつ求人票で判断してください。

ちなみに、ブラック企業出身だと次に転職できないのでは、と不安な人もいると思います。採る側から言うと、そこはあまり気にしなくていいところです。ブラック企業出身者だと転職できない?企業の本音!逆に重宝される!で書いたとおり、むしろ評価される場面もあります。

では、実際に求人票のどこを見るか。まずは、みんなが気にしている要注意ワードの話から片づけます。


ブラック企業求人あるあるフレーズ一覧|要注意ワードは覚えなくていい

先に一覧で出します。ただし冒頭で書いたとおり、これを暗記する必要はありません。

フレーズは、あとで説明する数字を確認する「きっかけ」として使ってください。


求人票のあるあるフレーズ出す側の事情確認すること
未経験者大歓迎・学歴不問・年齢不問応募条件を緩めないと人が集まらない年中募集していないか
アットホームな職場・風通しがいい他に書けるアピールがない役員の構成と年齢層
少数精鋭・幹部候補・即戦力人が少ない、または辞めている採用人数と募集背景
〇〇アドバイザー・〇〇コンサルタント職種名で応募数を稼ぎたい実際の仕事内容が営業かどうか
やる気重視・夢を実現・粘り強い方具体的な業務内容を書けていない1日の仕事の流れ
ノルマなし(営業職)「目標」という名前で存在する評価制度の中身
業務拡大につき増員欠員補充でもこう書ける今回の採用予定人数


カタカナ職種は中身を確かめれば済む話

営業を「キャリアアドバイザー」「ライフプランナー」と書き換えている求人は昔からあります。私はもう反射で「つまり営業でしょ」と思うんですが、これは何十社も見てきたから見えるだけです。初めて転職する人には、普通にかっこいい職種に見えます。

MAMAO
MAMAO

言い換えてる時点でズルいってこと?


いえ、言い換え自体は悪ではありません。実際にコンサルティング要素の強い営業もあります。カタカナ職種は、2種類に分けて考えてください。

1つ目は、職種名だけカタカナで、仕事内容の欄はちゃんと書いてある求人。「既存顧客への訪問が1日4〜5件」「午前は事務処理、午後は商談」といった具合に、1日の流れが読める。これは呼び方の問題だけなので、警戒しなくて大丈夫です。

2つ目は、職種名もカタカナで、仕事内容も「お客様の課題解決をお任せします」で終わっている求人。こちらが問題です。


求人票を出す側からすると、仕事内容の欄は一番書きやすい場所です。毎日やっていることをそのまま書けばいいので、埋まらないほうがおかしい。それでも抽象的なままにしているのは、具体的に書くと応募が減る中身だからです。


飛び込み営業が1日30件、テレアポが1日100件。そう書けば正直ですが、応募は来ません。



精神論が並ぶ求人票は、書ける具体情報が尽きている

「やる気」「粘り強さ」「夢」が並ぶ求人票を、私は出す側の目で見るようになってから理解しました。

あれは求職者を洗脳したくて書いているというより、求人枠を埋めるだけの具体的な情報が手元にないんです。給与も休日も研修制度も書けるものがないから、精神論で行数を埋めるしかない。

だからこそ、フレーズは入口でしかありません。ここからが本題の数字です。

やばい求人票の見分け方|私が応募を見送った5つの数字

やばい求人票の見分け方|私が応募を見送った5つの数字


ここからは、私が求人サイトで実際に手を止めた条件です。面接まで行って判断したのではなく、求人票を見た時点で応募していません

みなし残業は「1日あたり何時間か」に割り戻す

みなし残業45時間分を含む」。これを見た瞬間に閉じます。

45時間という数字だけだと多いのか少ないのか判断しづらいので、営業日20日で割ってください

45時間なら1日あたり2時間15分です。定時が18時なら毎日20時15分。それが1年12ヶ月続く前提で給与設計されている、という意味になります。

比較すると分かりやすいはずです。

みなし残業(月)1日あたり定時18時なら
10時間約30分18時30分
20時間約1時間19時
30時間約1時間30分19時30分
45時間約2時間15分20時15分
80時間約4時間22時

私の許容範囲は1日1時間程度、つまり月20時間までです。これは法律の基準ではなく私個人の線引きなので、そこは分けて受け取ってください。

ただし45時間という数字には、もう一つ意味があります。労働基準法の36協定で、時間外労働の限度は原則として月45時間・年360時間と定められています。

つまりみなし残業45時間は、法律が原則の上限として想定している時間を、入社初日から常態として予算に組み込んでいるということです。違法ではありません。違法ではないからこそ、堂々と書いてあります。

PAPAO
PAPAO

上限ギリギリを平常運転として設計してる、と読むのが正しいです


なお固定残業代は、記載時間を超えた分は当然追加で支払われるべきものです。基本給が低く各種手当で膨らませている求人も同じ構図で、賞与は基本給ベースで計算されることが多いため年収は見た目より落ちます。この構造は生活残業の末路が悲惨】20代は今すぐ逃げろ!基本給低い会社は人生詰むで詳しく書いています。


年間休日と週休二日制|「完全」の有無より出社日が先に書いてあるか

「週休二日制」と「完全週休二日制」は別物です。完全が付かない場合、週2日休める週が月に1回以上あればいい、という意味になります。

ここで多くの記事は「完全と書いていない求人は避けろ」で終わります。私の基準は少し違っていて、完全でなくても、いつ出社するのかが先に書いてあれば許容範囲です。

  • 「第2・第4土曜は出社」
  • 「年に数回、棚卸しのため土曜出勤あり」

こう書いてある会社は、隠す気がないということです。逆にまずいのは、週休二日制とだけ書いて、どの週が違うのかを一切説明していない求人。入ってから知らされるパターンになります。

あわせて年間休日の数字も見てください。105日前後だと、週休二日に祝日がほぼ乗っていない計算になります。


給与が「応相談」「幅が広すぎる」求人は、下限を出せていない

  • 「給与:応相談」
  • 「年収250万〜700万円」。

この2つも見送ります。

PAPAO
PAPAO

相談って言われると、いきなり交渉が始まる感じがしてウザいんですよ


感情面はそれとして、出す側に回ると理由が分かります。応相談と書く会社は、だいたい次のどちらかです。人を見てから金額を決めたいか、相場より低くて数字を書くと応募が来ないか。前者なら面接で聞けば出てきますが、後者は最後まで出てきません。

年収の幅が広すぎる求人も同じで、上限の700万は歩合を全部積み上げた場合の理論値であることがほとんどです。見るべきは上限ではなく下限で、下限が書かれていない求人はその時点で判断材料がありません。


試用期間6ヶ月と条件違い|社会保険の未加入はその時点でアウト

試用期間が6ヶ月と書かれた求人も見送ってきました。あとで知ったのですが、私が避けた会社のいくつかは、実際に人が続かず年中求人を出していました。

試用期間そのものは違法でも何でもありません。問題は試用期間中だけ条件が変わる書き方のほうです。試用期間中は契約社員・アルバイト扱い、試用期間中は給与が日割り、試用期間中は各種手当なし。この手の条件を並べてくる会社は、要するに合わなかったら切りやすくしておきたいわけです。

そのなかで一つだけ、見分け方ではなく明確な赤信号があります。試用期間中は社会保険に入れないという会社です。健康保険・厚生年金は、適用事業所で常時使用される人であれば入社日から加入の対象で、試用期間かどうかは関係ありません。「試用期間だから」という理由での未加入は、説明として通りません。

ここは他の項目と性質が違うので、迷わなくていいところです。

試用期間6ヶ月って、そんなに長いほうなの?
【2026年最新】試用期間6ヶ月はやばい? 現役採用担当が企業の手口と脱出法を暴露


平均年齢が若すぎる職場|上の年代がいない理由を聞く

求人票や会社概要に載っている平均年齢が、20代後半で止まっている会社。ここは警戒します。

ただし若い=ブラック企業、と決めつけるのは間違いです

創業が新しければ平均年齢は当然若くなりますし、ベンチャーはそもそもそういう構成です。

問題は、設立から20年30年経っているのに40代以上がいない会社のほうです。その年数のあいだ、誰も残らなかったということになります。だから見るべきは年齢そのものではなく、なぜ上の年代がいないのか。面接で「社員の年齢構成を教えてください」と聞けば、答え方に出ます。

ここまでが求人票の数字5つです。

次は、多くの人が見落としている採用人数の話をします。

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採用人数のあるある|求人票の「増員」は欠員のことがある

採用人数のあるある|求人票の「増員」は欠員のことがある


私が求人票で必ず確認するのに、意外と語られていないのが採用人数です。ここは出す側になってから、見方が完全に変わりました。

ハローワークの求人票には募集人数が書いてある

ハローワークの求人票には、募集人数の欄があります。ここが「1人」なら、素直に1人分の椅子が空いたということです。私が見送るのは、1人ではない求人

同じ職種で3人、5人と募集している会社は、その人数分の椅子が同時に空いた会社です。

従業員50人の会社が同職種を10人募集していたら、計算が合いません。同じ職種の人が一度に10人辞めることは、普通は起きないからです。


求人サイト経由なら面接で採用予定人数を質問する

やっかいなのは求人サイトです。採用人数を書かない求人が多いので、求人票の段階では判断できません。

そこで私は面接で聞いていました。使う質問はこれです。

「今回の採用予定人数は何人でしょうか?」

採用に前向きな態度として受け取られるので、重い質問になりません。そして答えは、たいてい正直に返ってきます。「今回は1名です」と「何人でも、いい方がいれば」では、まったく別の会社です。

もう一つ聞くなら募集背景です。「今回の募集は欠員補充ですか、増員ですか」。ここで注意してほしいのは、求人票に「業務拡大につき増員」と書いてあっても、実際は欠員補充のことがあるという点。出す側からすると、欠員と書くより増員と書いたほうが会社の見栄えがいいので、そう書きます。嘘というより、書き方の問題です。

MAMAO
MAMAO

じゃあ増員って書いてあっても信じちゃダメなの?

PAPAO
PAPAO

書いてある文字じゃなくて、面接での答え方を見てください


3人採って1人しか残らなかった会社の話

私自身、1年中求人を出している会社に入ったことがあります。同期は3人。1年後に残っていたのは1人でした。私は残ったほうではありません。

営業会社だと、この規模はまだ小さいほうです。10人まとめて採用して、1年後に1人だけ残るのは珍しくありません。当時も感じていましたし、採る側に回ってからより確信したのですが、そういう会社は最初から全員に残ってほしいと思っていません。まとめて採って、残った人が優秀な人だ、という考え方です。だから常に求人が出ています。

採用の全部がこうだとは言いません。1人採るのに何ヶ月もかけて選ぶ会社もあります。ただ、大量採用と常時募集がセットになっている会社は、この前提で動いていると考えたほうが安全です。

入ってから「またあの人辞めた」が続く職場、判断の目安があります

1年で10人辞める会社はやばい?辞めるべき5つの判断基準【29社経験者が本音で解説】

ここまでは、求人票を読む側の話でした。次は逆から、私が実際に出している求人票の中身を公開します。

【逆から】私が出している求人票は、残業時間を実態より多く書いています

【逆から】私が出している求人票は、残業時間を実態より多く書いています

ここまで「数字を見ろ」と言ってきた人間が言うのも何なんですが、私が今の会社で出している求人票には、実態より厳しい数字を書いています


みなし残業は15時間で記載。実際は、ほぼ残業ゼロで定時に帰っています。

なぜ応募が減るのに厳しく書くのか

理由は一つです。「楽そうだから」という動機の人に来てほしくないから。

残業ゼロと書けば応募は増えます。でも増えた分の多くは、仕事の中身ではなく条件の楽さに反応した人です。そこから選んで採用しても、入ってから「思っていたのと違う」で辞めます。それなら最初から、少し厳しめの数字を出して応募を絞ったほうが早い。

PAPAO
PAPAO

応募が減るのを承知でやってます。採用担当としては損な書き方です

ここで気づいてほしいのは、条件を実態より悪く書くのは、会社にとって完全に損だということです。応募が減るというコストを自分で払っている。だからこうする会社は例外的です。

逆に言うと、みなし残業45時間と書いてある会社は、45時間を使う前提で人を採ろうとしていると読んで、ほぼ外れません。誰も好き好んで悪い数字を書かないからです。


危ないのは、条件を悪く書く会社より数字を書いていない求人

ここを誤解されると困るので、はっきり書いておきます。実態より悪く書いてある会社に入っても、あなたは損をしません。入ってみたら想定より楽だった、で終わります。

危ないのは逆方向のズレと、そもそも数字が書いていない求人です。応相談、要相談、記載なし。判断材料を出さない会社は、出せない事情があります。

なお、条件のいい求人がなぜ表に出てこないのか、スカウトメールがどういう仕組みで飛んでいるのかは、転職エージェントは信用できない?裏事情から真実を徹底解説のほうで採用側の事情として書いています。

次は、その求人がいつから出ているのかを確かめる方法です。

同じ会社の求人を何度も見かけたら|常に募集している企業の実態

ブラック企業求人あるあるの本丸がここです。1年中、同じ会社の同じ職種が出ている。

私はハローワークでも求人サイトでも、これで応募をやめたことがあります。

ハローワークは更新で新着に見える|窓口での質問文

特にやっかいなのがハローワークです。同じ求人を更新すると、新しい求人のように並びます。だから初めて見た人には、たった今出たばかりの求人に見える。

これに対して私がやっていたのは、窓口で直接聞くことです。

「この求人、いつから出ていますか?」


職員さんは過去の履歴を見られるので、答えてもらえます。半年前から出ていると分かれば、それだけで判断がつきます。

求人サイトの場合は、Google検索で「企業名+求人」と調べると、過去の掲載が残っていることがあります。詳細まで分からなくても、「前も出していた」という事実が確認できれば十分です。

常に求人を出している=即ブラックとは限らない

ここは公平に書いておきます。常時募集している会社が全部やばい会社かというと、そうではありません。

採用に本気の会社は、いい人がいれば会いたいので募集を下ろしません。特に人材紹介経由だと、決まるまで費用が発生しない仕組みなので、急ぎでなければ何ヶ月でも待てます。私の会社もそうしています。

見分けるポイントは、募集の継続と採用人数がセットになっているかです。1人枠を長く出しているのと、毎回複数人を募集し続けているのでは、意味がまるで違います。

ハローワークの求人って、結局どこまで信じていいの?
ハローワークはやめとけ?ろくな求人がないと言われる理由を「求人を出す側」の採用担当が解説

なお、人手が足りないと言いながら採用を絞る会社もあって、これはこれで別の危険信号です。人手不足なのに雇わない会社は危険!20代が見極めるべき5つの警告サインと対処法のほうで扱っています。

ここからは、要注意ワードの代表格に一つだけ反論させてください。


「アットホームな職場」と書いてある求人票の読み方

「アットホームな職場」はやばい?同族企業の見分け方と本当にアットホームだった会社


ブラック企業の求人あるあるといえば、これです。「アットホームな職場です」。ネットではもう完全に地雷ワード扱いになっています。

ただ、私の実感は少し違います。本当にアットホームだった会社も、実際にありました。だから「この言葉があったら即アウト」とは思っていません。

そのうえで、求人票の段階でできる確認が1つだけあります。企業のホームページで役員一覧を見ることです。

アットホームを打ち出す会社の多くは同族企業です。役員に同じ苗字が並んでいたら、ほぼ確定と思っていいです。苗字が違っていても婿養子というパターンがあるので、そこだけ油断しないでください。私はこれで一度外しました。

同族企業そのものが悪いわけではありません。ただ、評価や昇進で身内が優先される可能性は現実としてあります。それが嫌な人は、応募前に役員構成を見ておくだけで避けられます。求人票には書かれませんが、会社のホームページには載っています。

同族企業の後継者に当たったときにどうなるかは、二代目社長がポンコツすぎて辞めたい!典型的なダメパターンと転職すべき理由のほうに書きました。

本当にアットホームだった会社で何が起きたのか、外れだった会社と何が違ったのか
アットホームな職場はやばい?本当に良かった会社の2条件を採用側が解説



ここまでは求人票に書いてあることの話でした。次は、書いていない情報の取り方です。


求人票に書いていない数字は、応募者から聞けば出てくる

離職率、定着率、平均勤続年数。求人票で本当に知りたい数字ほど、載っていません。

でも、聞けば出てくる場合があります。

新卒者等の募集には情報提供の義務がある

若者雇用促進法(青少年の雇用の促進等に関する法律)により、新卒者等の募集を行う企業には、応募者などから求めがあった場合、職場情報を提供する義務があります。平成28年3月1日から、企業規模を問わず適用されています。

提供対象は3類型に分かれていて、それぞれ1つ以上を提供することが義務です。

📋 職場情報の提供義務具体的に分かること
👥 ① 募集・採用に関する状況過去3年間の新卒採用者数・離職者数、男女別の採用人数、平均勤続年数など。 「入社した人がどれくらい残っているか」を見る材料になります。
📚 ② 職業能力の開発・向上に関する状況研修の有無や内容など。 入社後にどのような教育・育成を受けられるのか確認できます。
③ 雇用管理に関する状況前年度の月平均所定外労働時間、有給休暇の平均取得日数など。 残業や休みやすさを判断する材料になります。

ただし、この制度には限界が2つあります。


1つは対象が新卒者等の募集だという点。新卒と同じ枠で募集している既卒者は対象に入りますが、中途採用枠には及びません。

もう1つは、3類型それぞれ1つ以上でいいので、企業は平均勤続年数を選ばずに済ませられるという点です。

平均勤続年数は在籍者だけの数字|聞くなら人数のほうです

ここが、私がいちばん納得していないところです。

平均勤続年数は、在籍している社員それぞれの勤続年数を合計して、社員数で割って算出します。つまり辞めた人は、分子どころか分母にも入っていません。試用期間で消えた人は、この数字に一切影響しないんです。

3人採って1人しか残らなかった会社でも、残った1人の年数だけが計上されます。統計として、判断の役に立ちません。

だから、聞くべきは年数ではなく人数です。

「過去3年で何人採用されて、そのうち今も何人在籍していますか」

この聞き方なら、辞めた人も含まれます。答えられない会社、はぐらかす会社は、それ自体が答えです。

PAPAO
PAPAO

個人的には、職種ごとの勤続年数を公開する義務があってもいいと思っています。試用期間で辞めた人も数に入れる形で

「勤続3年」って、実際のところ短いのか長いのか?
平均勤続年数の目安は何年?5年・10年は短い?を29社辞めた採用担当が判定


ここまでで求人票の話は終わりです。最後に、応募したあとの確認について短く触れます。


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面接でやばい会社の特徴を最終確認する|社内の雰囲気と面接官の態度

求人票で絞ったあとの最終確認が面接です。

ここはあなたが会社を面接する場でもあります。

社員の様子と社内の雰囲気は、入った瞬間に見る

整理整頓、トイレの状態、社員の表情。

細かいようですが、労働環境がそのまま出ます。壁に売上グラフや訓示がびっしり貼ってある会社、誰かが詰められている声が聞こえる会社は、そのままの職場だと思ってください。

面接時間外に確認する方法もあります。定時の少し後に会社へ電話して、留守番電話に切り替わるか。夜にオフィスの照明がついているか。電話がつながってしまった場合は、無言で切らずに「間違えました、失礼しました」と一言お詫びしてください。


面接中に「その筋の人」が入ってきた会社の話

やばい会社の特徴として、面接での即採用があります。私はこれを、忘れられない形で経験しました。

駅に置いてある無料の求人紙で見つけた、インフラ系の企業でした。求人票にも会社にも、特に怪しいところはありません。社内は静かで、面接官もいたって普通の人でした。

唯一ひっかかったのは、個室ではなくオープンスペースで面接が始まったことです。人がほとんどいない小さなオフィスで、みんなに丸見えの場所で面接する。落ち着かないな、くらいにしか思いませんでした。

面接がとんとん拍子に進みはじめた、そのときです。

何の前触れもなく、明らかに堅気ではない二人組が、当たり前の顔で入ってきました。

面接官は驚きません。慣れた様子で「ちょっと失礼」と席を立ち、挨拶に行きました。そして三人で、遠巻きにこちらを見ている。品定めされているのが、離れていても分かりました。

PAPAO
PAPAO

毎日か、少なくともしょっちゅう来てる空気でした。この人が本当の社長なのか?とも思いました


そこから先、どんなやり取りをしたのかは覚えていません。ただ一つだけはっきりしているのは、オフィスを出てタバコに火をつけた瞬間、採用の電話が鳴ったことです。面接が終わって、まだ5分と経っていません。

私は嘘が嫌いなほうですが、このときばかりは「すみません、今ちょうど他社から内定をもらいまして」と言って逃げました。

PAPAO
PAPAO

電話口で「何でですか」「なんでですか」を連呼されました。あれは本当に怖かった


即採用そのものが、判断材料になる

ここまで分かりやすい会社は、さすがに稀です。私も29社のなかでこの1社だけでした。

ただ、この会社と普通のブラック企業に共通しているのは、決断させるまでの速さです。面接の直後に採用を出し、その場で入社の返事を求める。給与も休日も勢いで決まる。

採用する側から言うと、これは異常です。まともに選考している会社なら、社内で共有して、条件を確認して、書面を用意します。当日中に電話が鳴るということは、その場にいた人間の一存で決められるということで、入社後の待遇も同じ決まり方をします。

だから、他社と比較検討する時間を与えない会社は、それだけで判断していいと思っています。急がされているときは、急がせる側に理由があります。

面接官が高圧的だった場合の判断は圧迫面接の対処法!遠慮せず即辞退が鉄則!例外なくブラック要素あり、逆質問をどこまで踏み込んでいいかは面接で逆質問しすぎは落ちる?適切な質問数と面接官の本音【29社転職×採用担当が解説】にまとめています。


ブラック企業に入社してしまったときの対処法

ここまで書いておいてなんですが、100%見抜く方法はありません。私も何度も外しています。

入ってしまったあとにやることは、順番が決まっています。まず労働条件通知書と求人票を突き合わせて、記載と違う点を確認すること。残業代の未払いやハラスメントがあるなら、記録を残すこと。そのうえで、改善が見込めないなら早めに動くことです。

MAMAO
MAMAO

でも、すぐ辞めたら経歴に傷がつくんじゃ…


採る側から言うと、短期間で辞めた事実そのものより、そのあとどうしたかを見ます。1社の短期離職で人生が決まることはありません。むしろ、合わない環境に何年もしがみついて動けなくなるほうがまずいです。

明日もあの会社に行くのか、と思ったら読んでください
ブラック企業の最強の辞め方!退職代行なら当日の朝でも辞められる!

すぐ辞めたことを引きずっている人は、短期離職で人生終わりは嘘|詰んでも「なんとかなる」を29社辞めた採用担当が解説のほうも読んでみてください。



ブラック企業の求人に関するよくある質問

ここまでで、求人票の読み方はひととおり出しました。

残りは、私が採用担当をやっていて実際に聞かれることと、求人票の前でよく迷うところをまとめておきます。

Q. ブラック企業の求人あるあるで、一番多いフレーズは何ですか

「未経験者大歓迎」と「アットホームな職場」です。ただし、どちらもそれ単体では判断できません。

フレーズを見つけたら、みなし残業の時間数と採用人数を確認してください。


Q. やばい会社の特徴は、求人票だけで見分けられますか

完全には無理です。求人票で分かるのは条件面だけで、人間関係や社風は入るまで分かりません。

求人票で候補を絞り、面接で最終確認する、という2段構えにしてください。


Q. 未経験者歓迎の求人は、すべてブラック企業ですか

違います。育てる前提で採用している会社もあります。

分かれ目は研修制度の記載で、未経験歓迎と書いてあるのに研修について何も書かれていない求人だけ警戒してください。

Q. ずっと求人が出ている会社には応募しないほうがいいですか

採用人数とセットで見てください。1人枠を長く出しているだけなら、慎重に選んでいる会社の可能性があります。

毎回複数人を募集し続けている会社だけ避ければ十分です。


Q. みなし残業は何時間までなら許容範囲ですか

法律上の基準はありません。私の線引きは月20時間、1日あたり1時間までです。

迷ったら営業日20日で割って、自分が毎日その時間まで残れるかで判断してください。


Q. ブラック企業の求人を避けるには、転職エージェントを使うべきですか

使うかどうかより、判断基準を持っているかのほうが大事です。

ただし、求人票に書かれていない情報を先に確認してもらえるのは事実で、自分で調べる時間がない人ほど向いています。


まとめ|ブラック企業求人あるあるは、数字で見抜ける

まとめ|ブラック企業求人あるあるは、数字で見抜ける


きれいな求人広告の裏に何が隠れているのか。それが分からないまま応募ボタンを押すのが怖い、という話から始めました。

結論は最初に書いたとおりです。要注意ワードを暗記する必要はありません。見るべきは「数字」と「募集の頻度」です。

🔍 チェックする数字・情報見抜き方
みなし残業営業日20日で割って、1日あたり何時間分の残業が含まれているのかを確認する。
📅 年間休日「完全週休2日制」という言葉だけで判断せず、実際に年間何日休めるのかを見る。
💰 給与上限ではなく下限を見る。「応相談」だけでは判断材料が少ないので、面接で具体的な条件を確認する。
⚠️ 試用期間中の条件試用期間中だけ給与や社会保険などの条件が変わる求人は、理由を確認する。
👥 採用人数何人採用するのかを確認する。記載がなければ、面接で「今回の採用予定人数」を聞く。
🔎 求人の掲載期間その求人がいつから出ているのか、同じ求人が何度も掲載されていないかを調べる。
📊 採用数と定着数「過去3年間で何人採用して、現在何人残っていますか?」と聞く。これが会社の定着状況を知る強い材料になります。

私は求人票を見る側として何度も外してきましたし、今は求人票を出す側として、応募が減ると分かっていて厳しい数字を書いています。両方やって思うのは、会社は数字を盛りたがるけれど、悪く書く理由はどこにもないということです。だから書いてある数字は、そのまま受け取っていい。書いていない数字だけ、自分で取りにいってください。

一度入ってしまうと、取り返しがつかないこともあります。応募する前の10分で確認できることは、確認しておいて損はありません。


\次の会社で、また同じ思いをしないために/

登録も相談も無料です。まだ辞めると決めていなくても、条件のいい求人があるか聞いてみるところからで大丈夫です。

新卒バックレ→29社を渡り歩いた、元クズ社会人。
今は腰を据えて働きながら、採用する側(人事)もやっています。
辞めたい・受からない気持ちも、採用側の本音も、どっちもわかる。
転職のリアルを、自分の失敗込みでお届けします。
詳しいプロフィール → PAPAOってどんな人?

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