転職活動を始めると、面接で希望年収を聞かれます。
希望年収は、自分のスキルや経験に見合った金額を設定し、その根拠や貢献度を具体的に伝えることが転職成功のカギです。
しかし、市場価値や企業の予算と乖離した希望年収を設定したり、その理由や根拠が曖昧だったり、個人的な事情や感情に基づいていたりすると、転職失敗につながる可能性があります。
本記事では、希望年収の決め方と答え方、成功する人と失敗する人の違いについてお伝えします。
なぜ企業は希望年収を聞いてくるのか?
● 面接では「希望年収は?」という質問をされることがあります。
希望年収を聞かれたときにどう答えるべきか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで企業が希望年収を聞く理由や面接で希望年収を聞かれた場合の答え方のポイントをお伝えします。
企業が希望年収を聞く理由としては、以下の3つが挙げられます。
①採用予算とのミスマッチを防ぐため
②求職者の水準が適正なレベルであるかを確認するため
③市場価値を客観的に把握しているか確認するため
なぜ企業側が希望年収を聞いてくるのか?理由がわかれば対策が打てますね!
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採用予算とのミスマッチを防ぐため
金額が企業の予算と見合うか確認したい
●企業は採用した人に給与や賞与を支払うので、あらかじめ、いくら支払えるか予算や規程があります。その中で、応募者の希望年収が合致するかどうかを見極める必要があります。
予算と本人が希望する年収に開きがあると気付かず、企業が採用を決め内定を出したとします。
内定を受け取り、条件を確認したとき、希望年収より明らかに少なければ、内定を辞退する方もいるでしょう。
だから企業もお金と時間を費やして採用活動を行うため、ミスマッチはできるだけ避けたいことから希望年収を聞きます。
求職者の水準が適正なレベルであるかを確認するため
あなたの給与に対する価値観を確認したい
●希望年収は、企業が募集している職種に対して適切な能力とスキルがあるかの判断にも使われます。
あなたが給与に対してどのような考え方やモチベーションを持っているかも、企業とのマッチングや将来性を見極めるために確認したいのです。
企業の給与規程により部長職や課長職、係長職などポジションで給与の決まりがある場合もあります。
その場合、課長職へ応募してきた方がその企業の部長職レベル以上の年収を希望していたり、反対に低い年収を希望すると、求めるスキルや能力に合致しないのではないと捉えられる可能性もあります。
市場価値を客観的に把握しているか確認するため
応募者が自分の仕事ぶりに対して客観的に把握ができているかを知りたい
●また、自分の市場価値を客観的に把握しているか確認する意味もあります。
たとえば、これまで1つの企業に長く勤務しており、企業内で高く評価されていても、それが市場での自分の評価と異なる場合があります。
知識や経験、人脈などさまざまな方向からみて、あなたのスキルがどのくらいの市場価値であるか客観的に把握しているかを問うために希望年収を聞いてくることもあります。
応募先の企業で自分の希望年収額と同等の人がどんな仕事をしているのか、面接で質問してみるのも良いでしょう。
中途採用|希望年収の答え方
●希望年収は、自分の市場価値や企業の予算とのバランスを考えて決める必要があります。
希望年収の決め方について、以下のポイントをお伝えします。
①求人票に記載のある年収金額の範囲内で決める
②希望年収をあえて低く提示する必要はない
③現職に近い業種や職種で転職する場合は、現職と同額か少し高めに設定する
求人票に記載のある年収金額の範囲内で決める
●転職でよく聞かれる希望年収は、基本的に 求人票や募集要項に記載された想定年収の範囲内で、設定しましょう 。
求人票には、企業が想定している人件費や市場相場が反映されています。
求人票に記載された年収金額の範囲内であれば、企業とのミスマッチを防ぐことができます。
会社の想定年収に比べ、あまりにも高い金額を提示すると「自社の労働条件に合わない」として不採用になるリスクが高まります。
希望年収を決める際の最もシンプルな方法は、求人票に記載された年収金額の範囲内で決めることです。
希望年収をあえて低く提示する必要はない
●求人票には「応相談」と記載されている場合や、年収金額の範囲が広い場合もあります。
この場合でも、希望年収をあえて低く提示する必要はありません。
採用されやすさだけを考えて、希望年収を低く設定すると、自分の能力やスキルに見合わない給与で働くことになります。
また、企業からも自己評価が低い」「何か問題を抱えているのでは?」という懸念材料にもなりえるからです。
希望年収は、自分の市場価値や前職の年収を参考にして、適正な金額を設定しましょう。
転職の場合は現職と同額か高めでOK !
現職に近い業種や職種で転職する場合は、現職と同額か少し高めに設定する
●現職に近い業種や職種で転職する場合は、現職と同額か少し高めに希望年収を設定することがおすすめです。
現職で培った経験やスキルがそのまま活かせる場合は、前職よりも高い給与を得られる可能性が高まります。また、同じ業界や職種であれば、市場相場も把握しやすくなります。
ただし、前職よりも高い希望年収を提示する場合は、その根拠や理由を明確に伝えることが大切です。
例えば、「前職では○○な実績や成果を出した」「○○な資格やスキルを取得した」「御社では○○な業務に携われると思う」などと具体的にアピールしましょう。
募集ポジションでどの程度活躍できるのか、経験やスキルに紐付いた根拠を提示することが大切 です。
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現職の年収を詐称するのは大変危険です…
●現職(前職)の年収を詐称するのは完全NGです!
転職後の年収を少しでも高くしようと、 現職(前職)の年収を多めに伝えるのは辞めたほうがいいでう。
遅かれ早かれ内定後や入社してから源泉徴収票の提出を求められ、嘘をついたことがバレてしまいます…
もし現職が1年未満での転職なら「月給は●●ですが、ボーナスは●●万円という予定でした」というブラフはギリギリセーフです。(推進しませんが…)
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希望年収の答え方|未経験や第二新卒
未経験の業種や職種で転職する場合は、現職よりも低く設定する
●社会人経験のない第二新卒やキャリアチェンジなどの未経験者の場合は、 希望年収は会社規定に従うのが妥当 でしょう。
金額交渉をするためのスキルや経験が伴っていないので、高望みせずに先方の提示額を受け入れるのが無難です。
未経験の分野では、知識やスキルが不足していることを自覚しなければなりません。
また、企業側も未経験者に対して高い給与を提示することは難しいでしょう。
未経験の業種や職種で転職する場合は、希望年収よりもキャリアチェンジの動機や意欲、学びたいことや成長したいことを強くアピールすることが重要です。
希望年収は、求人票に記載された年収金額の下限付近に設定するか、「御社の規程に従います」と答えるのがベターです。
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面接で希望年収を伝えるときのポイント
● 上記では「希望年収の答え方」をご紹介してきましたが、それでもいざ面接で希望年収を聞かれたときにどう答えるべきか、悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで、希望年収を伝えるときには、以下のポイントを押さるようしてみましょう!
前職(現職)をベースに伝える
●希望年収を伝えるときの基本は、前職の年収をベースにすることです。
前職の年収は、自分の市場価値やスキルレベルを示す客観的な指標となります。
前職の年収を伝えることで、企業側もあなたの能力や経験に対する評価をしやすくなります。
前職の年収を伝えるときは、「前職では年収○○万円でした」と具体的な金額を明示しましょう。
また、前職の年収には賞与や手当なども含めた総支給額を答えることが重要です。
源泉徴収票や給与明細などで確認しておきましょう。
給与アップを希望する場合は理由を明確にする
希望年収は伝えつつ、会社に委ねる姿勢が大事!
●前職よりも高い希望年収を提示する場合は、あなたの能力の高さ、経験レベル、学歴、同じ分野の他の候補者が持っていない専門知識や独自のスキルなどを考慮する必要があります。
自分が持っている資格や実績、前職での成果などを振り返り、それらがどれだけ企業に貢献できるかを評価しましょう。
例えば、「前職では○○な実績や成果を出した」「○○な資格やスキルを取得した」「御社では○○な業務に携われると思う」などと具体的にアピールしましょう。
その理由や根拠を明確に伝えることが大切です。
ただし、希望年収はあくまで希望であり、企業側が必ずその金額を提示するとは限りません。
企業側の予算や規程に合わせて最終的な金額が決まります。
そのため、「年収○○万円以上が条件です」と強く主張するのではなく、「前職では年収○○万円でしたが、業務に関する専門的な知識や資格を取得し、御社の業績アップに寄与できるため、年収○○万円を希望しますが、御社の規程に従います」と柔軟に対応する姿勢を見せましょう。
どうしても金額に納得がいかなければ内定辞退すればいいだけです!まずは内定をもらうことに力を使いましょう!
最低希望年収も伝える
●希望年収はある程度の幅があるものです。
その中でも、自分が納得して働ける最低限の金額を最低希望年収と呼びます。
最低希望年収は、自分の生活費や将来設計などから算出することができますね。
最低希望年収も伝えることで、企業側もあなたの要望や条件に寄り添ってくれる可能性が高まります。
また、自分が納得して働ける金額を明確にしておくことで、内定後に給与面で不満や不安が生じることも防げます。
最低希望年収を伝えるときは、「○○万円~○○万円を希望しますが、最終的には御社の規定に従います」と範囲を示して伝えましょう。
希望年収の答え方|メールで年収交渉をするポイント
●メールで希望年収を伝える場合は以下の2つのポイントを押さえて書きましょう。
①件名を明確にする。メールの件名は「希望年収に関するご相談」などと具体的に書きましょう。これは、メールの内容が一目でわかるようにするためです。
②希望年収額とその理由を簡潔に述べる。メールの本文では希望年収額とその理由を簡潔に述べましょう。これは、自分の希望年収が妥当であることや、交渉の余地があることを示すためです。
以下はメールで希望年収を伝える例文です。
件名:希望年収に関するご相談
株式会社〇〇
人事部 〇〇部長様
お世話になっております。●月●日に面接をさせていただきました△△です。
このたびは内定通知を頂き、誠にありがとうございました。
面接では貴社の経営理念やビジョンについて詳しくお話を伺えたことから、貴社で働きたいという気持ちがよりいっそう強くなっている次第です。
本日は、大変恐縮ながら先日ご提示いただいた年収額についてご相談したく、ご連絡させて頂きました。
前職では私が牽引した□□□□における業務効率化のプロジェクトが業績アップにつながり、会社の売り上げに貢献した実績がございます。
今回、内定を頂いた当該ポスト業務においても、前職での経験を活かし御社に十分貢献できると考えております。
そこで、年収●●●万円を希望しておりますが、最終的には御社の規定に従うつもりでございます。
ご多忙のところ恐縮ですが、年収額に関しまして再度ご相談させていただく機会を頂けないでしょうか。
誠に勝手なお願いではありますが、何卒善処頂けますよう、よろしくお願いいたします。
最終的には自分が納得できる金額を設定することが大切です。
希望年収に関するQ&A
●希望年収は、転職活動において重要な要素のひとつです。
しかし、希望年収については、企業がどのように考えているのか、どのように答えるべきなのか、など疑問や不安が多い方もいるでしょう。
ここでは、希望年収に関するよくある質問と回答を紹介します。
希望年収は選考結果に影響する?
●希望年収は選考結果に大いに影響する可能性があります。
特に、希望年収をあまりにも高めに提示した場合や低すぎる場合は注意が必要です。
希望年収を高めに提示した場合、企業側の想定している人件費と合わずにマッチングに失敗したり、自分を過大評価しているとみなされたりする可能性があります。
逆に金額が低すぎる場合も、履歴書や面接では伝えられない、やましいことがあるのではと企業から疑いの目を向けられてしまう可能性があります。
そのため、自分の市場価値をしっかりと見極めた上で希望年収を提示する必要があります。
市場価値は、前職や現職の年収や求人票の年収金額などから参考にすることができます。
希望年収に交通費は含める?
●希望年収には交通費を含めずに、保険料や税金が引かれる前の総支給額を答えるのが一般的です。
交通費は給与とは別扱いで支給されることが多く、企業側もその前提で予算や規程を設定しています。
そのため、交通費を含めて希望年収を伝えると、企業側との認識にずれが生じる可能性があります。
ただし、派遣社員のように交通費が給料に含まれている場合、交通費も給料として扱われるので注意が必要です。
その際は、交通費を給料扱いにしているかどうかを確認してから希望年収を答えると良いでしょう。
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履歴書の本人希望欄に希望年収を書いてはいけないのか?
●履歴書の中で希望年収について書ける場所としては「本人希望欄」がありますが、ここは入社可能日など、あくまで「その条件が叶わないと入社できないほどの絶対条件」を書くところです。
年収が絶対条件な場合を除き、あえて希望年収について触れる必要はありません。
ただし、Webエントリーなどで「希望年収」の回答欄がフォームにある場合、具体的な金額を書いても問題ありません。
でも最初から年収があわない面接行くのも面倒…PAPAOの対策法
●そうは言っても、わざわざ面接に行って全くもって金額の折り合いがつかないのは、時間の無駄ですよね?
そこで私(PAPAO)は、書類選考時に企業側に理解してもらえるように最初から『職務経歴書』に辞めてきた企業の当時の年収をさりげなく記載してます。
これで「うわ!…うちではこんなに給料出せないよ…」なんて会社は最初から書類選考は通らないので、必然的に面接に行く手間も省けます。(決して私が高給取りなわけではありません…)
たまに、そこまで読まずに面接に呼ばれる場合もありますが…さりげな~く年収を書いておくのがポイントです。
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